気付けば在宅就業という名の引きこもりになって10年が経つ。
便利な世の中になったものだと思う一方で、非常に拙い状態になっている自分に暗澹たる気持ちになっている。
運動不足なのだ。
一時期、毎月のように風邪を引くようになった。流石に「ヤバいですね!」と思ったので、ステッパーを買った。
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よくテレビの通販CMで流れているやつである。ちなみに通販CMを見て買ったわけでなく、ホームセンターで買った。
毎日10分。本を片手に、500-600歩くらいは足踏みするようになった。たかが10分、されど10分といったところだろうか。毎月のように引いていた風邪は、いつしか引かなくなった。
だが、次の問題が生じてきた。
体力が明らかに落ちているのである。持久力に至っては壊滅的で、恐らく1kmを走るだけの持久力を今の自分は持っていない。
加えて、この一年で急激に体重が増えた。腹も出た。ただ、自分は彼此20年近く体重が変わっていない。25年前に買ったデニムパンツを未だに履けるくらい、体型が変わることがなかった。
体重が増え始めた頃、明らかに胃腸に不調を来しており、食べるのも辛くなったため、体重の増加は何かしらの病気なのでないかと疑い、今尚通院しているが、今の所肥えた以外の結論が出ていない。
とはいえ、完全に健康体というわけでもないようで、その原因を探り続けている。
そんな明らかに運動不足な日々を送っているため、流石に多少は外に出なければならないと自覚的になってきている。
とはいえ、何もない田舎である。外に出たところで何もなく、ただただ時間を浪費するばかりとなる。しかも移動には自動車を使わざるを得ない。歩くためには何かしらの理由や目的、歩く必要性を作らなければならない。
そこでふと思い至ったのが、「最近スタートしたスノーピークのキャンプ場を見てこよう」である。と言うわけで今回は、何を想ったのか、スノーピークが交通利便性が壊滅的で集客を望めない地域に開設したキャンプ場を歩いてきた感想について書く。
尚、大部分が有料である。
- スノーピークがキャンプ場を開設した岩手県陸前高田市とはどんな地域か?
- キャンプ道具一切不要! 隠れ家的な宿泊体験を楽しめる「スノーピーク陸前高田キャンプフィールド」
- 東日本大震災において大規模な被害を受けた地域ほどモダナイズできている皮肉
スノーピークがキャンプ場を開設した岩手県陸前高田市とはどんな地域か?
陸前高田市は、東日本大震災において非常に大規模な被害が発生した地域で知られる人口1万人少しの小さな町である。
東日本大震災津波伝承館が設置されている。併せて国営の追悼祈念施設も設置されている。東北沿岸部に加えて茨城県・千葉県の沿岸部が広く被災した東日本大震災において、国営の祈念施設の設置場所として陸前高田市が選ばれた理由はよく分からないが、なんとなくそれを納得させるだけの被災規模だったのは一定の事実と思われる。
また、少しだけ変わった話題で言えば、自動
運転の実証実験が実施されていることが挙げられる。確か、乗ろうと思えば乗れるはずである。
加えて、居酒屋チェーンで知られるワタミが、農業をテーマにした施設(と呼べるのか定かでないが)を設置し、運営している。
今一何をしたいのか分からない以前に、そもそも普段何をしているのか分からない施設というかエリアである。
最近、野外音楽堂が開設されたと話題になっていた。あまり使われている印象を受けず(これについては陸前高田市が国の金を使って作ったありとあらゆる施設全般についても同様のことが言えるが)、上場している一営利企業の関連会社として、どうしていきたいのか気になる。誰か株主総会で訊いてみて欲しい。
尚、キャンプ場所の提供も行っている。スノーピークと丸被りである。ただ陸前高田市には他にもキャンプ場があるので、キャンプ場が非常に好きな地域くらいの認識を持っても良いのかもしれない。
キャンプが賑わっている話はあまり聞いたことがないが、今回スノーピークが運営を担うことになったキャンプ場については、そこそこ人気のあった施設であった。
また、陸前高田市は千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希氏が生まれた土地である。大船渡高等学校に通っていたことから、佐々木朗希=大船渡市と思われている節があるが、出生の地は陸前高田市である。
この数年は花火大会に力を入れている。
www.city.rikuzentakata.iwate.jp
一体いつまで継続できるか分からないものであるが、近隣の自治体が本花火大会による集客のおこぼれをあてにしているくらいには、実施の必要性を感じられている催しではある。
東北の辺鄙な田舎のキャンプ場を運営するなんてスノーピークは大丈夫なのか
陸前高田市と聞いてもピンとくる人間は少なかろうし、岩手県でキャンプ場の運営と聞いて儲かりそうだと思う人間も少ないだろう。ましてキャンプブームは既に死に体である。今更田舎でキャンプ場の運営など行って、スノーピークは大丈夫なのかと心配する声は一定あるのでないかと感じる。
実際のところ、9月23日にオープンして、滅茶苦茶賑わったような印象を受けていない。キャンプブームどころかキャンプの旬である夏すら終わっている時期なのだから仕方ない。まして、交通利便性が壊滅的な場所である。東京に住んでいる人間がイメージするような賑わいが生まれる可能性はゼロに近い。
今日行った際にも、駐車場は恐らく全体の1割埋まっているかどうかくらいであった。来訪したのが日曜の夕方なので、そりゃそうだろうという感じではある。一方で、古くからこの地に住んでいる自分からすれば、日曜の夕方にパチンコ屋でもスーパーでもない店に、しかも若い人々が十数名程度訪れているのは、かなり凄いと感じたのが本音である。
所得が非常に低く、月の手取り額10万円台が普通の地域なので、物がどんどん売れていくなんて様子は流石に見えなかったが、来店者が来ているだけでも十分であるように感じられる。そもそもスノーピークとしても地元の人間が購買層になるとは思っていないように感じる。外からキャンプに訪れた人々が、必要に応じて買ってくれればめっけものくらいな感じでなかろうか。
陸前高田オートキャンプ場施設整備事業 指定管理予定者・設計・施工者選定プロポーザル 結果公表
第一、このキャンプ場の運営は指定管理によるものであり、ある程度の金は岩手県側が工面しているのでなかろうか。
岩手県 - 【プロポーザル】陸前高田オートキャンプ場施設整備事業について(再公募)
実際どれだけの金がスノーピーク側に入るのかは分からないが、公募時点で6億円程度が上限額として設定されていた。そのため、スノーピーク側が何から何まで投じて行う新規事業とは毛色が異なる。そもそも自社事業としてキャンプ場運営を行うことを考えるなら、陸前高田市のような地域を選ぶ可能性はゼロに近かっただろう。商売をするにはあまりに現実性に欠ける。
そんな地域に共立メンテナンスはドーミーインを建てようとしているが、新型コロナウイルスの影響があったにせよ、これも随分と時間がかかったものである。流石に考え直したかと思ったが、結局建てるらしいのだから恐れ入る。色々と政治的な話もあったのでなかろうか。どれだけ関係があるかは分からないが、共立メンテナンスは、陸前高田市の事務について包括業務委託契約を締結している。
閑話休題。前置きが大分長くなってしまった。それでは、ここから「スノーピーク陸前高田キャンプフィールド」を歩いた感想についてつらつら書いていこうと思う。